『神曲』 お供に助けられてなんとか読了 地獄と刑の残酷さに引いた
『神曲』
ずっと積読になっていた。
読み始めたものの、わかったようなわからないような、読みやすいんだけど理解できないような。2年以上積読になっていたが、書店で佐藤優の『教養としてのダンテの「神曲」(地獄篇)』が目にとまり、並行して読んだらわかりやすいこと!
『教養としてのダンテの「神曲」』は、歴史、宗教、文化から『神曲』を読み解いている。ほぼ知識ゼロの読者でも読みどころがわかるよう解説されていて、一歌ずつ二冊を交互に読み進めれば、あんなに手強かった『神曲』も完読まちがいなし。時に現代に置き換えて解説する佐藤優流解釈に、ほほーと納得したりクスッとしたりで、運命的出会いに感謝。
ダンテの描いた地獄は、環状の九つの圏谷からなっている。サンドロ・ボッティチェルリの「地獄の見取り図」を見るとわかりやすい。
どんな罪を犯した人が地獄に落ちるのかというと、淫乱、大食、貪欲・・・暴力・・・偽善、窃盗、・・・裏切りをはたらいた者たちが、それはもう身の毛のよだつ重い刑に処せれている。
最も罪深い裏切りは神を裏切ることで、第九の圏谷の第四の円(地獄の底)ではキリストを裏切ったユダが処刑されている。
時代や宗教、民族の違いで思い描く地獄は異なるが、それにしても恐ろしすぎる。そこまでする!?と処刑方法に絶句した。
実は『神曲』を読む前にもう一冊読んだ本があって、それがこれ。
『聖書がわかれば世界が見える』 池上彰
『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ/河島英昭訳を読んで中世ヨーロッパに惹かれ、その流れでキリスト教に興味を持ち、この本にたどり着いた。
世界史の本も何冊かパラパラした。
その後、いざ本丸『神曲』へ!
まぁ、一度読んだだけでこの名作を全理解できるはずはないし、とりあえず大枠はわかったって感じだけど、それでも読めなかったことを思えば前進した。
難しくて読めそうにない本はお供を見つけることから始めると良い。
ちなみに『神曲』の煉獄篇と天国篇は今回はパスする。これぞというお供が見つからなかったので。
さて、しばらく中世ヨーロッパがマイブームになりそうだ。
今はボッカッチョ(確か以前はボッカチオと呼んでいた)の『デカメロン』を読んでいる。
『神曲』に対する『人曲』
ダンテを尊敬していたボッカッチョが書いた『デカメロン』。上中下3冊、読み切れるか不安だが、もうすぐ上巻読了。