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『フロスト始末』 お下品ジョーク炸裂のフロスト警部が次々に起きる事件を解決する、スピード感が最高

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警部フロストシリーズ最終作にして、お下品ジョークがさらにパワーアップ。

あんな風に切り返されたら、もう笑うしかないよ。

それにしても、田舎町であんなに立て続けに凶悪な事件が起きるか?

まぁでも、おもしろかったから良しとする。

最初から最後までノンストップのおもしろさはさすがだね。

『フロスト始末』 R・D・ウィングフィールド

あらすじ

イギリスの田舎町。デントン警察に「散歩中の犬が人間の切断された足を見つけた」と一報が入る。さらに、連続強姦事件、スーパー脅迫事件と立て続けに事件が発生。フロスト警部は人手が足りない中、捜査を押しつけられ奔走する。そこへフロストをデントン署から追い出すためスキナー主任警部が赴任してくる。フロストはスキナーとマレット署長からイヤミを言われながらも捜査を続けるが、領収書改竄が発覚し、とうとう異動させられることになってしまう。異動の前に事件を解決すべく、フロストは少ない部下とともに睡眠時間を削って捜査にあたる。犯人を追うフロストを待ち受ける運命は・・・。

感想とか

なんかもう本当に、そんなに次から次へと事件が起きるものか?ってくらい凶悪事件のオンパレード。

死体(足)遺棄事件、連続少女強姦事件、スーパー脅迫事件、スーパー横領事件、腐乱死体(殺人)事件。

特に凶悪なのが、スナッフフィルム。Wikiによると、

スナッフフィルムは娯楽用途に流通させる目的で行われた実際の殺人の様子を撮影した映像作品

なんだとか。

本作では、少女が殺害される様子のビデオ(スナッフフィルム)がデントン署に送られてきたって設定なんだけど、現実にこんなものが流通してるんだろうか。小説の中だけにしてほしいよ、吐き気がする。

そんな数々の事件を、人手不足の中、フロスト警部が部下を率いて捜査にあたる。下品極まりない、ほとんど下ネタジョークを飛ばしながら、勘は外れ、夢にうなされ、法律も無視し、右往左往しながら徐々に真相に迫っていくストーリーは圧巻。

上下2巻なのでボリュームはそれなりだが、中だるみもなく、ページをめくる手が止まらなかった。読めない時間(仕事中とか)がもどかしくてうずうずしたよ。

スピード感というか、疾走感もたまらなくよかった。

フロストのお下品ジョークやダジャレに笑わされ、臨場感を味わい、フロストや部下たちと走り抜けた爽快感は格別だった。

さて、『フロスト始末』は警部フロストシリーズの最終作で、作者R・D・ウィングフィールドの遺作となった。もうフロスト警部を見られないのはとても残念だ。