『ボーン・コレクター』 事故で四肢麻痺になった世界最高の犯罪学者が連続殺人犯を追い詰める 鑑識作業がめちゃくちゃおもしろい
ふぅー。ハイウェイを時速150キロでぶっ飛ばしてきたぜ!
って感じの読後感。
全身が揺さぶられ、手に汗握り、最後は衝撃の結末。
このスピード感は半端ない。
スピード感を求めるなら、今のところ『ボーン・コレクター』一択。
『ボーン・コレクター』 ジェフリー・ディーヴァー
あらすじ
元ニューヨーク市警中央科学捜査部長リンカーン・ライムは、かつて「世界最高の犯罪学者」と呼ばれた。しかし数年前の捜査中の事故により、首から上と左手薬指しか動かせない四肢麻痺の体となった現在、生きる気力を失い自ら命を絶つことを願っていた。そんな中、凶悪な連続殺人事件が起き、ライムはニューヨーク市警から捜査の指揮を執るよう要請される。ライムの寝室には様々な科学分析機器が運び込まれ、殺人課刑事や鑑識課技術者が集まってきた。連続殺人鬼ボーン・コレクターは、短時間の間に次々と人を殺し、犯行現場には次の殺人の時刻や手口などを示す手がかりを残した。現場に足を運べないライムの代わりに、アメリア・サックス巡査がライムの目・耳・鼻・手・足となり犯人を追い詰める。
感想とか
いやーおもしろかった。とにかくおもしろい。
なんてったって展開が早い。次から次へと事件が起きる。
犯人の残した手がかり(メッセージ)から被害者を救出すべく、鑑識課技術者が機器を駆使し、判明した極々小さな、しかし決定的な事実からライムが推理し、捜査関係者が一致団結して犯人を追い詰める。
ハイウェイを時速150キロでぶっ飛ばすが如く。
ジェットコースターで上がって、降りて、ひねって、頭ふらふら、吐き気をもよおすが如く。
スタート直後から一気に加速して、そのままゴールへと突き進んだ感じの一冊だった。
ライムとサックスの関係性もいい。これからどうなっていくのか楽しみではある。
それにしても、鑑識って全く知らない世界だったけど、繊細さと幅広い知識と明晰な頭脳が要求される大変な分野なんだね。
殺人現場で白い粉をハタハタするだけが仕事じゃないんだ。現場に残されたあらゆる証拠を採取し、分析・鑑定するすごい仕事なのであった。