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『クリスマスのフロスト』 ダメダメ警部が田舎町で起こった難事件を追う 不器用で下品だけど人間臭いところが◎

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いやー、試し読みだけのつもりが、ついついおもしろくて最後まで読んじゃったよ。

電子書籍はあまり好みじゃないけど、そんなにややこしい話じゃないからすんなり読めた。

一気に読めて、気分スッキリ。いいよ。

『クリスマスのフロスト』 R・D・ウィングフィールド

あらすじ

イギリスの田舎町。デントン警察の警部ジャック・フロストは、よれよれのコートにえび茶色のマフラーがトレードマーク。職務規定も何のその、上司の命令は平気ですっぽかし、書類の提出期限も守らない。下品なジョークを連発し警察内でも異質な存在のフロストは、警察長の甥で新米エリート刑事クライヴ・バーナードのお守りをすることになる。ある日曜日、少女が日曜学校から帰る途中に行方不明になる。同時に銀行の玄関をこじ開けようとする事件も起きる。フロストとバーナードのコンビが次々に起きる難事件を解決し真相に迫る。

感想とか

ジョークはお下品だけど、ときどきキュンとさせられる名物警部フロストにハマった。

なぜかこの手の警察小説って、大体が妻に先立たれて仕事人間(仕事一筋)、警察ではちょっと浮いた存在の刑事が主人公で、すっとぼけながらも急所をついて難事件を鮮やかに解決する、ってパターンが多いよね。

でも、この『クリスマスのフロスト』は、どちらかというと「鮮やか」ではない。なるべくしてなったというか、必然的にそうなった、解決に至ったって感じ。鋭い推理じゃなくて、長年の勘で突き進んだ結果解決したみたいな。

下品で、下ネタすれすれのジョークも、全然スマートじゃない。

何というか、ある意味すごく人間臭いキャラ。

主人公が人間臭いなら、脇役(その他の登場人物)も人間臭くて、結構俗物。それぞれがいい味出してる。

次々に起きる事件も、そんなに大風呂敷広げて大丈夫?って思ったけど、一つ一つちゃんと解決(謎解き)しながら真相に近づいていくあたり、なかなかのものだ。

『クリスマスのフロスト』はシリーズもので、全部で6作ある。これはそのうちの1作目にして、作者ウィングフィールドの処女作だ。(小説としては処女作だけど、もともと脚本家だから新人とは言えないかも)