2022-01-01から1年間の記事一覧
『神曲 地獄篇』 ダンテ/平川祐弘訳 『教養としてのダンテ「神曲」(地獄篇)』 佐藤優 『神曲』 ずっと積読になっていた。 読み始めたものの、わかったようなわからないような、読みやすいんだけど理解できないような。2年以上積読になっていたが、書店で…
『見知らぬ乗客』 パトリシア・ハイスミス / 白石朗訳 うーん、気色悪い小説だった。気色悪いというか気味が悪いというか、得体の知れない狂気に追いかけられているみたいな、そんな感じ。 「文学どうでしょう」でも解説があったように、本作は「倒叙ミステ…
『TRACE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平』 内藤了 まるで漫画だね。過去と現在をつなぐ地下道、おもて交番とうら交番、昭和と令和。うら交番に行った警察官は1年以内に命を落とすというジンクス。死体売買ビジネス・・・? ありえない設定、だけど気になる…
『トム・ソーヤーの冒険』 マーク・トウェイン / 柴田元幸訳 あー自分にもこんな時代があったのかなぁと思わされた児童小説だった。 多分、いや絶対トムやハックのような桁外れの悪戯や冒険はしてない。記憶にない。今あんなことをやったらひんしゅくものだ…
『存在の耐えられない軽さ』 ミラン・クンデラ / 千野栄一訳 おもしろかった。食わず嫌いだったんだな。冒頭の「永劫回帰」、「ニーチェ」云々の言葉に敷居の高さを感じ読み進められなかった数年は何だったんだろう。あーもったいない。 裏表紙には「究極の…
『ゴリオ爺さん』 バルザック / 博多かおる訳 (『ポケットマスターピース バルザック』から) ゴリオ爺さんの最期に涙が出た。あんなに娘を愛したのに、その愛情が娘をだめにしたなんてあまりにも悲しい。 それにしても、パリ(上流貴族社会)には女とお金…
『ザ・ロード』 コーマック・マッカーシー / 黒原敏行訳 なんかね、自分がこんな荒れ果てた地球上の、たった一握りの生き残りだなんて、思っただけでぞっとする。もちろん生きたいと思うよ。思うけど、目の前は一面真っ黒な灰、木も植物も何もかも枯れ果て…
『マンスフィールド・パーク』 ジェイン・オースティン / 中野康司訳(ちくま文庫)を読みました。 オースティンの作品は一見何でもないストーリーなのに、読み出したらおもしろくて止まらないんですよね。オチが気になって気になって。この関係(ファニー…
『青い城』 モンゴメリ / 谷口由美子訳 を読みました。 ハッピーエンドは予想していましたが、思いがけないどんでん返しがあり、ラストは一気読みでした。とはいっても、全体を通して意外性はなく、落ち着くところに落ち着いたストーリーだったかなと思いま…
『スウ姉さん』 エレナ・ポーター / 村岡花子訳 を読みました。 エレナ・ポーター3冊目です。『少女パレアナ』『パレアナの青春』は超楽天家パレアナの前向きなお話でしたが、この『スウ姉さん』はまったく反対、自分の夢や恋を家族のために犠牲にして、耐…
『パレアナの青春』 エレナ・ポーター / 村岡花子訳 を読みました。 『少女パレアナ』のその後です。歩けるようになって療養所から帰ってきたパレアナがジミーと結ばれるまでのお話。 主人公は前作同様パレアナですが、カリウ夫人も主役級で、その変わり様…
『少女パレアナ』 エレナ・ポーター / 村岡花子訳 を読みました。 海外文学というか海外の小説は結構好きで、どちらかというと日本の小説より海外の小説を読む機会が多いのですが、どうしてもジャンルが偏ってしまいます。翻訳されているのがミステリーやSF…
『宿敵』 リー・チャイルド / 青木創訳 を読みました。 リー・チャイルドの小説は初めて読んだのですが、この『宿敵』はもぉ一気読み必至というしかないです。1日目上巻、2日目下巻の2日コース。 めちゃくちゃ強い主人公リーチャーが正義のために体を張って…
『高い窓』 レイモンド・チャンドラー / 村上春樹訳 を読みました。 読み終わったのですが、残念ながらせっかくのいいところがぼわんと霞がかかったような消化不良気味の読後感です。 ミステリーの構成、展開がというより、マーロウやその他の登場人物の気…
お気に入りのブログがあります。 立宮翔太さんの「文学どうでしょう」です。(リンク貼っていいかわからないのでタイトル名だけ失礼します) 2011年頃から始まり、2014年にパタっと更新が途絶え、あ〜もうやめちゃったのかなぁと思っていたら、なんと、なん…
時代小説ってこんなにおもしろいんだ! 戦国時代とミステリーをかけ合わせた結果、より上質なミステリー小説ができあがったという感じ。 時代ものが苦手で読むのをためらっていたけど、こんなことならもっと早くに読むんだった。 今までの米澤穂信作品とは一…
こういうの、好きじゃない。 この一言に尽きる。 よくよく調べていくと、ケッチャム作品は賛否両論が激しく別れるらしい。 小説を読んで何を感じるかは読者の自由だし、スティーブン・キングみたいにケッチャムを絶賛することについて何かを言うつもりもない…
そうきましたか、エラリイさん! やられました。最後までわかりませんでした。 参りました・・・。 といいたくなる古典的で本格的なミステリーだった。 こういうのをミステリーの原点(のひとつ)というんだろうな。 それにしても、町の変わり様が恐ろしい。…
本作はロンドン警視庁の警察官、ウィリアム・ウォーウィックが主人公の連作の2作目だ。 麻薬王とその組織を一網打尽にすべく、ロンドン警視庁に新設された麻薬取締独立捜査班の面々が奮闘する話。 前半はスローテンポだが、後半に入ると、血なまぐさい殺人、…
一周回ってポンッ!って感じ。 そう来たかと。 犯人の登場のさせ方とか、主人公の秘密の明かし方もうまい。 エンタメ小説だけど政権を批判した書ともいえ、だからロシアでは発禁なのかと思ったり。 ミステリーとして、冒険小説として、読み応えのある小説だ…
これはめっけもんだった! ん?儲けもの? 狙撃手って単語だけで手に取った一冊がこれほどおもしろいとは! 初っ端から衝撃的な事件が起こり、読者は釘付けになる。 スピード感あり、緊張感ありの、ぐいぐい引き込まれるサスペンス小説だった。 『マンハッタ…