『誠実な嘘』 マイケル・ロボサム / 嘘の背景にあるもの
これってストーカーじゃん!
・・・って思いながら読み進めたら、
違った!!
そんな単純な話じゃなかった。
これはもうね、前情報なしに読んでほしい。
レビューも、何なら裏表紙のあらすじも読まずに、真っ新(まっさら)な気持ちで向かってほしい。
そういう流れね! ・・と途中からのめり込むことまちがいなし。
二部構成の一部後半から一気に加速するから見てて! ん?読んで!か?
ということで、どんな話かはいえないけど、簡単にいうとロンドンに住む女性ふたりの物語だ。
ふたりの主人公が一人称(自分から見た視点)で交互にストーリーを語っていく。
ふたりが出会い、重なり、事件が起きる・・・。 おっとここまで。
人って、一度嘘をつくと止まらなくなるんだよね。
嘘で固める。嘘をホントっぽく見せるためにさらに嘘を重ねる。
許される嘘と許されない嘘。
嘘も方便って諺もあるように、真実を告げることがすべて正しいわけじゃない。
そして、許されない嘘でも、背景にはどうしようもない環境があったりする。
自分では変えられない運命というか。
例えば、子どもは親を選べない、育った環境も選べない。
人はみな平等っていうけど、現実は平等じゃないよね。
それって、ある意味残酷。
幼少期に受けた傷を克服するのって、相当難しい。
他人には絶対理解できないから、わかった顔なんてしてほしくない。
とまぁ、読後の感想はそんな感じ。タイトルの「嘘」の前についた「誠実な」の意味を考えさせられる一冊だった。
最後に出版社に物申したい。
この本、分厚すぎませんか?
759ページ、3センチ強、重さはなんと352グラム。 前回読んだ『もう耳は貸さない』は1.5センチで192グラムだからその重さたるやいかに。
手が折れそうだった。 ← これは誠実じゃない方の嘘
でもほんと、手(腕)が疲れたよ。2冊に分けてもらった方がよかった。
あーでも、2冊にすると1450円(税抜き)じゃ買えないね。
難しい問題だね、これも。