『高い窓』 誰に指図を受けるでもなく突き進むマーローがかっこよかった
『高い窓』 レイモンド・チャンドラー / 村上春樹訳 を読みました。
読み終わったのですが、残念ながらせっかくのいいところがぼわんと霞がかかったような消化不良気味の読後感です。
ミステリーの構成、展開がというより、マーロウやその他の登場人物の気の利いたセリフがイマイチ理解できないのです。楽しめない。何のこと言ってるの??って感じで。情けないです。
タフって言葉にもどこか引っかかるというか、今どきタフブルとかいう?
ハードボイルドに馴染みがないせいかもしれません。でも、マーロウはかっこよかったです。冷めてるようで意外と人間臭いところがあったりして。確固たる信念をブレることなく貫き謎を解明していくわけですが、警察小説のように悪は暴かれ法で裁かれるという展開にならないのがいいですね。
ここまでが自分の仕事とさっと手を引く潔さと、放っておけばいいものをなぜか放っておけない、実は情が深いところがギャップ萌えだったりして。
村上春樹訳なのでキザっぽい小説?なんて先入観もありましたが(ハルキストの方ごめんなさい)、そんなことは全然ありませんでした。どちらかというとゴツゴツした感じのするハードボイルド、タフなガイが3日(確か)で事件を解決する謎解きも楽しめる一冊でした。
「文学どうでしょう」では同じマーロウもので『プレイバック』が紹介されていますが、気の利いたセリフが理解できないおバカさんなのでパスしようかと思っています。
次は『宿敵』です。