行けるところまで行ってみよう

1年たつのは早い。早すぎる。ここまできたら行動あるのみ。後悔先に立たず。

『宿敵』 一気に加速してラストを見届けよう

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『宿敵』 リー・チャイルド / 青木創訳 を読みました。

リー・チャイルドの小説は初めて読んだのですが、この『宿敵』はもぉ一気読み必至というしかないです。1日目上巻、2日目下巻の2日コース。

めちゃくちゃ強い主人公リーチャーが正義のために体を張って悪に立ち向かう。法に委ねるような生ぬるい裁き方ではなく、自分の手で相手を追い詰めとどめを刺す。・・・最後に正義は勝つんですね。

ふらっと現れ、悪を倒し、そして去っていく。「文学どうでしょう」にもありましたが、昔の時代劇みたいなワンパターンな筋書き、悪は必ず倒され正義が勝つという展開です。ハッピーエンドが予測されてもなお読み続けてしまうのは、私たち読者がリーチャーに魅力を感じ、リーチャーのアクションに圧倒され、悪が倒されるのを切望しているからでしょう。

復讐と正義がないまぜになった微妙なストーリーではあるのですが、私は好きです。

頭が切れて体ごとぶつかっていくリーチャーのアクションから目が離せず、リーチャーが海に飛び込んだときは私も溺れた気になり、それでも最後はすっきり爽快気分になれた一冊でした。

もう一ついいなと思ったのは、日本の小説を読んでいるような違和感のない言葉選び、表現、展開です。

ひとつひとつの事実を淡々と積み上げることで、時間の経過、目の前の景色、起きている出来事が浮かび上がっています。比喩や言葉遊びもなく、あくまで事実をありのままに読者に提示しています。そうすることで私たち読者は立ち止まることなく結末まで一気に駆け抜けることができます。

立ち止まっちゃダメなんです。一気に加速してラストを見届けなくては。

 

次は、『少女パレアナ』です。