行けるところまで行ってみよう

1年たつのは早い。早すぎる。ここまできたら行動あるのみ。後悔先に立たず。

『パレアナの青春』 少女パレアナは乙女になり恋をしました 

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『パレアナの青春』 エレナ・ポーター / 村岡花子訳 を読みました。

少女パレアナ』のその後です。歩けるようになって療養所から帰ってきたパレアナがジミーと結ばれるまでのお話。

主人公は前作同様パレアナですが、カリウ夫人も主役級で、その変わり様には目を見張るものがありました。ジミーの出自や3組のカップル誕生は、さすがに出来過ぎでしょって思いましたが。

でも、それも微笑ましく思えるほど、よく練られたストーリーでした。読んでいてワクワクしましたし、広く浅く登場人物の心情に触れるうちに物語に引き込まれていて、読後の余韻も心地いいものでした。

無邪気に誰にでも喜びの遊びを(無意識のうちに)勧めていた少女パレアナが、乙女になって恋をする展開に、なぜかほっとしました。大人になっても遊びを勧めみんなのいい子だなんて、それじゃああまりにも優等生でつまらない。って思う私は斜め上から目線?

「喜びの遊び」は無邪気な子どもの頃は案外簡単にできても、大人になればなるほど難しくなり、意識しないとできなくなる気がします。頭が固くなっちゃうんですねきっと。

ボストンの公園で、パレアナが見ず知らずの人たちに声をかけて気味悪がられ避けられるのは現代でも同じ。知らない人とは口をきいてはいけません、知らないところ遠いところにひとりで行ってはいけません・・・。世知辛い世の中だけど、悲惨な事件がいっぱいあるから仕方ない。『少女パレアナ』『パレアナの青春』は古き良き時代の物語ってことですね。

難解な言い回しや小難しい描写がほとんどないのでとても読みやすい反面、スリルや意外性はなく、ちゃんちゃん!って終わった感じが残念といえば残念でした。パレアナが恋をしたというのに、そこのところがすぽっと抜け落ちているのも残念ですが、きっと作者にとってそこは大事じゃなかったんでしょう。