通勤の車から見える景色
今の職場で働くようになって、かれこれ10年になる。
この10年間、通勤の車から見てきた景色がある。
景色というか人が歩くさま、要するに人間ウォッチング。
7時40分から45分の間にお見かけする年配の女性。
同じ方向に歩いているので後ろ姿しか見たことがない。
数年来、エプロン姿でちょっと歩いてます〜って感じの軽やかな足取りだったのが、2年くらい前に突然2本の杖をもって歩くようになった。
杖? ウォーキングポール? トレッキングポール? 一瞬で通り過ぎるからよく見えないけど、とにかく杖。
それが数ヶ月後には1本になり、そのまた数ヶ月後には杖がなくなった。
今では、杖の代わりにゴミ袋とハサミ?トング?を持って、ゴミ拾いしながら歩いている。
昔と同じ元気そうな後ろ姿に頬が緩む。
次も歩く人。
70代前半と思しき男性。
ウェアがすごい。スポーツブランドの黒のスパッツ?タイツ?に黒のハーフパンツ、超かっこいい。
上半身も体にフィットした長袖Tシャツに半袖Tシャツを重ね着していて、颯爽と歩いていた。
一昨年の春から秋にかけてよく見かけたのだけど、冬はお休み?、その後春になっても見かけなくなった。
歩く時間を変えたのかも。そう思うことにした。
もう一人、多分電車の駅に向かう若い男性。
歩く様子から障害がおありのようだった。いつもニコニコ、楽しそうに歩く姿が印象的だったのだけど、いつの間にか見かけなくなった。
こちらも電車の時間が変わったのだろうと思うことにした。
最後は、停車中の車から見る景色。
横断歩道を渡る集団登校の小学生たち。
先頭と最後尾の上級生が低学年をサンドイッチして、見守り隊のおじさんが立つ横断歩道を渡る姿は、いつ見ても微笑ましい。
子どもが少なくなったとはいえ、まだまだこの辺は小学生が多い。賑やかなのはいいね。元気がもらえる。
時速60キロの車から数秒だけ見える景色も、積み重なると意識に残る。そして、いつしか待ち遠しくなる。
見たいと思う景色は、目に飛び込んでくるようになる。もちろん、よそ見脇見はご法度で。
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