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『ネットワーク・エフェクト』 内省的な人型警備ユニットが未知の星系で謎の敵と闘うアクションSF、弊機が人間的感情を抱きつつあるところが微笑ましい

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やっぱりおもしろい!

冒頭から手に汗握るハラハラ続きで、前半でもうぐったり。

ピンチを脱して小休止、そして後半、また大盛り上がり。

うまいねー。

楽しませてもらったよ!

『ネットワーク・エフェクト』 マーサ・ウェルズ

あらすじ

プリザベーション連合の警備コンサルタントとなった人型警備ユニットの「弊機」は、恩人メンサー博士の依頼により、メンサー博士の娘たちの護衛として惑星調査任務に赴いた。その帰路、正体不明の敵から襲撃を受け絶体絶命の窮地に陥る。弊機たちは未知の星系に連れて行かれ、異星文明の遺物に関係するトラブルに巻き込まれる。警備ユニット、人間、調査船が協力して敵と闘い、謎を解明していく宇宙冒険SF。

感想とか

「弊機」のネガティブで内省的な思考とその語りは、前作『マーダーボット・ダイアリー』に引き続き健在で、ART(不愉快千万な調査船)とのかけあい(口論あり、議論あり)はますます小気味よく、バージョンアップした感あり。

弊機とART、弊機とアメナや仲間たち、弊機と新たに現れた警備ユニット。それぞれが関係性を深めるにつれて、「弊機」はより人間的になっていき、それぞれが今まで以上に近い存在になっていく。

宇宙SFとして、「謎の敵と闘い、異星遺物を突き止め破壊し、人質を救出し自分たちも生還する」壮大なアクションものであると同時に、人間的な交わりを描くことで、読者を温かい気持ちにさせる作品ともいえる。

アクションといえば、本作にはざっくり前半と後半にそれぞれ大きな山(ハラハラ大ピンチ)がある。

冒頭からいきなりピンチが始まり、ほぼ前半はピンチの連続、脱出なるか!?って感じで、前半だけで体力ほぼ消失。

一旦話はゆっくり流れ(体力回復)、後半はちょっと理解が及ばない難しいところがあったものの、生き残りをかけた「弊機」と「2.0」の闘いぶりにまたまた興奮。

最後はいい感じに終わり、続編もあるんだろうなと期待する。

巻末の解説によると、本作の前日譚となる中編が来年刊行予定らしい。楽しみだねぇ。