行けるところまで行ってみよう

1年たつのは早い。早すぎる。ここまできたら行動あるのみ。後悔先に立たず。

『鍵穴』 ヨルン・リーエル・ホルスト / 動機を想像して読むのがいい

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『カタリーナ・コード』に続く警部ヴィスティング・シリーズ13作目(本国では13作目、邦訳では3作目)。

今回のあらすじは・・・

急逝した大物政治家の別荘で大金が詰まった段ボール箱が見つかった。 汚職か? 大金の出どころを極秘に操作せよ! 検事総長から直々に捜査命令が下り、警部ヴィスティングは少数精鋭のチームを率いて捜査に乗り出す。

とまあこんな話なんだけど、このあらすじみたいなことが第1話(段落? 1〜77まである最初の1話)に書かれていて、この先物語はこんなふうに進んでいくよって丁寧に説明してくれている。

で、大前提を頭に入れて読み進めると、これがまあ、だんだんと展開が予想できてしまい、最後には、あーそうなのねやっぱりって感じで、ちょっと残念というか何というか・・・。

もしや、これは私がミステリー通に近づいた証拠? なはずない。

では視点を変えて、著者はミステリーの謎、本作の場合は「犯人は誰?who」「どうやってそれを実行した?how」の部分より、「なぜそれを実行した?why」の部分に焦点を当てたかった、と解釈してみる。

すると、確かに物語の展開には若干迫力が欠けたものの、動機にインパクトはあった。

あったけれど、ちょっと物足りないかな、個人的には。

それとやっぱり、名前が覚えにくい。 この人誰だっけ? さっき出てきた人?って感じで、一気読みならいざ知らず、数日かけて読んでいるとこの人誰状態に頻繁におちいる。

おまけに登場人物が多い。多すぎる。それも読みにくい名前ばかり。サルヴェセン、ヘッレヴィク、ヒルドゥル、スカーヴハウグ、クヴァンメ、、、なんのこっちゃ。

まあ何はともあれ、ノルウェー本国でも15作を数える人気シリーズのうち2冊も読めたわけで、良しとしよう。

ネタバレになってしまうかもだけど、極秘捜査の少数精鋭チームに民間人でジャーナリストの娘を加えておとり捜査的なことをするのって、日本じゃ考えられないんだけど、実際にはあるんだろうか?