『超短編! 大どんでん返し』 すきま時間に読むのにぴったり、お気に入りの作家を見つけるも良し
全30編!
30人の作家が書いた2000字のどんでん返しが1冊につまっている。
なんとお得な!
『超短編! 大どんでん返し』 小学館文庫編集部編
何といっても30人だからね。30人。
いくら「超短編」といっても、これだけの作家の作品を一度に読めるなんて、何という贅沢。
そうそうたるメンバーを紹介しよう。
乾くるみ、米澤穂信、法月綸太郎、西澤保彦、恩田陸、門井慶喜、乙一、北村薫、・・・他。
30人のうち知っている作家がこれだけというのも何だけど、まあ私が知らないだけでなので気にしないでほしい。
2000字の「どんでん返し」をテーマにした作品集。これだけの作品を文庫本のために書いてもらったのか?と思いきや、小学館の「STORY BOX」(小説雑誌)2018年3月号〜2020年6月号に掲載されたものをまとめて文庫化したものらしい。なるほど。
で、30編のうち気に入った作品は、というとまずはこの2つ。
「なんて素敵な握手会」 乾くるみ
「花火の夜に」 呉勝浩
読者の思いこみを逆手に取ったストーリーだ。どんでん返しの王道というやつ? 知らんけど。
次はこれ。
「愛妻へのプレゼント」 日明恩(たちもりめぐみ)
これはね、個人的に「あっぱれ大どんでん返し賞」を送りたいくらい好み。
「骨なし」 田丸雅智
これは気色悪いけど病みつきになりそうな話。世の中どんどん便利になり、気がつけばディストピアがすぐそこに・・・?
最後にこれ。
「電話が逃げていく」 乙一
これは案外自分にも起こりうる話かも。無意識の行動? 潜在意識のなせる技?
どれも最初からどんでん返しとわかっているから、読者はそれなりに心して読む。
それなのにやっぱり最後には「どんでん返しだ!」って思っちゃうのは、やっぱり秀作揃いだね。
超短編のいいところは、すきま時間に読めること。数分で読めちゃうから場所を選ばない。読みきりだから後を引かない。すぐに頭の切り替えができる。
次に読むものが決まらない時の繋ぎにもってこい。
さて、次は何読もうかな。