行けるところまで行ってみよう

1年たつのは早い。早すぎる。ここまできたら行動あるのみ。後悔先に立たず。

『超短編! 大どんでん返し』 すきま時間に読むのにぴったり、お気に入りの作家を見つけるも良し

f:id:soratomo55:20220320163151j:plain

全30編!

30人の作家が書いた2000字のどんでん返しが1冊につまっている。

なんとお得な!

超短編! 大どんでん返し』 小学館文庫編集部編

何といっても30人だからね。30人。

いくら「超短編」といっても、これだけの作家の作品を一度に読めるなんて、何という贅沢。

そうそうたるメンバーを紹介しよう。

乾くるみ米澤穂信法月綸太郎西澤保彦恩田陸、門井慶喜乙一北村薫、・・・他。 

30人のうち知っている作家がこれだけというのも何だけど、まあ私が知らないだけでなので気にしないでほしい。

2000字の「どんでん返し」をテーマにした作品集。これだけの作品を文庫本のために書いてもらったのか?と思いきや、小学館の「STORY BOX」(小説雑誌)2018年3月号〜2020年6月号に掲載されたものをまとめて文庫化したものらしい。なるほど。


で、30編のうち気に入った作品は、というとまずはこの2つ。

「なんて素敵な握手会」 乾くるみ 

「花火の夜に」 呉勝浩 

読者の思いこみを逆手に取ったストーリーだ。どんでん返しの王道というやつ? 知らんけど。

次はこれ。

「愛妻へのプレゼント」 日明恩(たちもりめぐみ)

これはね、個人的に「あっぱれ大どんでん返し賞」を送りたいくらい好み。

「骨なし」 田丸雅智 

これは気色悪いけど病みつきになりそうな話。世の中どんどん便利になり、気がつけばディストピアがすぐそこに・・・? 

最後にこれ。

「電話が逃げていく」 乙一 

これは案外自分にも起こりうる話かも。無意識の行動? 潜在意識のなせる技?


どれも最初からどんでん返しとわかっているから、読者はそれなりに心して読む。

それなのにやっぱり最後には「どんでん返しだ!」って思っちゃうのは、やっぱり秀作揃いだね。


超短編のいいところは、すきま時間に読めること。数分で読めちゃうから場所を選ばない。読みきりだから後を引かない。すぐに頭の切り替えができる。

次に読むものが決まらない時の繋ぎにもってこい。

さて、次は何読もうかな。